- 教員採用試験の教育法規ってどんな科目?
- 教育法規は全部覚えないとダメなの?
- 教育法規はどうやって勉強すればいいの?
この記事では、教員採用試験における教職教養科目の一つである「教育法規」について情報をまとめています。
最初に結論をいうと教育法規はとても重要な科目です。
とはいえ、何が重要なのか、また、どの法律が必要なのか。こういった情報がないことには、何も対策できませんよね。
そこで今回は、教育法規が重要である理由3つと試験でよく出る頻出法規9つを紹介していきます。
本記事を読んで教育法規の勉強を楽にしましょう!
教員採用試験の教職教養「教育法規」が重要な3つの理由
教育法規は、教育に関するあらゆる法律や条文、規則などを総称した科目です。
教員採用試験では、教職教養の重要科目として位置づけされているんですね。
教育法規が重要な理由は主に3つ。
- 出題数が多い
- 安定した出題率
- 面接でも質問される
理由①:出題数が多い
1つ目の理由は、出題数が多いこと。
自治体にもよりますが、教育原理に次ぐ出題数なんですね。
難しいイメージから教育法規を捨て科目にする受験者さんは一定数いますが、不合格へ直結ルートなので注意しましょう。
理由②:出題割合が安定している
2つ目の理由は、出題割合が安定していること。
教員採用試験は科目数が多く、年度によって出たり、出なかったりするので傾向の把握が最重要です。
その中でも、教育法規は安定した割合で出題される傾向が強いんですね。
科目 | 2022 | 2021 | 2020 |
---|---|---|---|
教育原理 | 5 | 8 | 5 |
教育法規 | 9 | 8 | 9 |
教育心理 | 5 | 4 | 5 |
教育史 | 1 | 1 | 1 |
教育法規は安定して出題される傾向が強いため、安心して勉強することができますよ。
理由③:面接で質問される
面接の質問で教育法規の内容を問われることも理由の一つです。
- 教育基本法第1条について知っていることをいってください。(埼玉県)
- 学校教育法で示されている学校とは何ですか。(北九州市)
- 地方公務員法第33条の内容を具体例を入れて言ってください。(鹿児島県)
- 教育公務員特例法の中で教員に必要なことは何ですか。何条に書いてあるかも言ってください。(北海道)
教職教養は「教員として備えておくべき最低限の知識」です。
知らないってことがないように勉強はしておきましょうね!
- 教育法規は教職科目の1つ。
- 出題数は多く、安定
- 面接でも問われる。基礎的な知識を覚えておく
教員採用試験の教職教養「教育法規」でよく出る法令9つ
教育法規は重要だからこそ、なんとかして攻略してください。
とはいえ、条文が多すぎて何を覚えればいいのか悩んでいる相談は多いです。
そこで、絶対に抑えておくべき9つの法規と頻出条文を紹介します。
- 学校教育法
- 教育基本法
- 教育公務員特例法
- 地方公務員法
- 学校保健安全法
- 日本国憲法
- 児童生徒に関する法律
- 教育行政に関する法律
- その他
学校教育法
絶対に抑えておきたい法規1位は「学校教育法」。
全146条で構成されており、学校の種類や目的、設置・管理、安全、運営に関する法規で構成されています。
条文は多いですが、出てくる条文はだいたい決まっているので一気に覚えることが重要!
- 1条
- 11条
- 12条
- 16条
- 18条
- 19条
- 21条
- 30条
- 34条
- 35条
- 37条
- 42条
- 43条
この中からの出題率が圧倒的に高いです。
教育基本法
絶対に抑えておきたい法規2位は「教育基本法」。
教育基本法は教育の基本理念についての条文です。
前文と全18条で構成されています。
全条文からバランスよく出題されているため全部おぼえましょう。
面接試験で暗唱させられることが多いです。
教育公務員特例法
絶対に抑えておきたい法規3位は「教育公務員特例法」。
最近、頻出の法規で、教員の職務やルールなどが明記されている法律です。
- 21条
- 22条
- 23条
- 24条
- 25条
教職員の「研修」についての出題が大半です。
時間がなくても一気に覚えられるので確実に見てください。
地方公務員法
絶対に抑えておきたい法規4位は「地方公務員法」。
教職員が守らなければならない「服務」についての出題が多く、面接試験でも服務内容を聞かれることが多いです。
- 30条
- 31条
- 32条
- 33条
- 34条
- 35条
- 36条
- 37条
- 38条
地方公務員法も条文は多いですが、教員採用試験では95%以上が30条~38条から出題。
学校保健安全法
絶対に抑えておきたい法規5位は「学校保健安全法」。
学校保健・安全に関する出題が年々、増加しています。
とくに健康診断は要チェック。合わせて食育についても押さえておきましょう。
- 6条
- 7条
- 11条
- 13条
- 15条
- 19条
- 20条
- 29条。
感染症などもトレンドなので、頻出度で言えば1位かもしれませんね。
日本国憲法
日本国憲法も抑えておきたい条文の一つです。
憲法は98条1項に書いてあるように「国の最高法規」で、1番の権限を持ちます。
3~4年前は出題ランク3位でしたが、最近は6位まで後退しています。
しかし、まだまだ出てくる法規なので注意が必要。
- 13条
- 14条
- 15条
- 26条
児童・生徒に関する法規
- いじめ
- 不登校
- 虐待
これらに関する法令が頻出です。
長文で出題され、空欄補充で適切な語句を選ぶ出題が多いです。
いじめ防止対策推進法や児童虐待の防止等に関する法律は頻出。
教育行政に関する法規の傾向
教育委員会に関する法規がたまに出題されています。
頻出度は低く時間があれば確認する程度でいいです。
その他
- 教育職員免許法
- 学校教育法施行規則
- 著作権法
これらに関する出題もたまに出題があります。
ここで紹介した9つの法規は時間がなくても勉強してくださいね。
逆に言えば、ここさえ抑えておけばガッツリ勉強しなくてもいいということなので楽ですよ。
教員採用試験の教職教養「教育法規」の勉強における注意点!
教育法規を勉強するときは以下の点に注意しましょう。
- 参考書のべた読みは非効率
- 法律・条文は絞る
順番に解説します。
注意点①:参考書のべた読みは非効率
一つ目の注意点は、参考書をそのまま読んで覚えること。
例えば、以下の文。
すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。
どこが試験で狙われるのかわかりますか?
もちろん、全文を覚えてしまえば問題ないかもしれませんが、実際に必要な部分は決まっているので時間がもったいないです。
解決策
問題集を中心とした勉強なら、覚えるべき部分を、実践形式で覚えることができます。
すべて国民は、ひとしく、その( )に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2 国及び( )は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
3 国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、( )によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。
こんな感じで、必要な箇所って少ないんですよ。
記述式で全文を書く必要があるなら別ですが、95%以上の自治体は「空欄補充」か「正誤問題」です。
問われる箇所は決まっているので、そこを頭に入れておけば点数はとれます。
無駄のない勉強をしましょうね。
注意点②:出やすい条文は決まっている
二つ目の注意点は、参考書や問題集の法令、条文を全部覚えること。
「「教育法規」でよく出る法令9つ」でも解説しましたが、教育法規で出題される条文は、ある程度決まっています。
例えば、地方公務員法は65条あるけど、出るのは11つだけです。
勉強ができない人は無駄に65個全部を勉強するので、落ちるんですね。
解決策
ですので、志望先の出題傾向を確認したら頻出の高い条文と法令に絞って問題集を中心に勉強しましょう。
- 参考書(文章中心)で覚えるのはNG
- 出題される箇所(キーワード)は決まっている
- 全部の条文からは出題されない
効率的な覚え方をチェックする
教員採用試験の教育法規まとめ
教育法規の特徴や分野をまとめていました。
再度、おさらいです。
- 教育法規は教職教養の1科目
- 教育法規は重要
- 教育法規が重要な理由3つ
・出題数が多い
・出題割合が安定
・面接でも問われる - 教育法規で頻出の条文9つ
・学校教育法
・教育基本法
・教育公務員特例法
・地方公務員法
・学校保健安全法
・日本国憲法
・児童・生徒に関する法規
・教育行政に関する法規
・その他 - 教育法規の勉強で注意する点
・参考書を丸暗記することはNG
・出る法令、条文に絞る
難しいイメージのある教育法規ですが、実は出てくる法規も条文もパターン化されていますね。
しっかりやり込めば得点源にできる科目ですよ!
再度、頻出条文を中心に対策していきましょう!
- 基本は暗記
- 出題頻度の高い分野を中心に勉強する
- 問題集をメインに覚えることがポイント