この記事では、教員採用試験の専門教養の具体的な勉強方法を紹介します!
専門教養で悩んでいる人やはじめて勉強する人は参考にしてみてください。
なお、専門教養の試験内容については次の記事を参考にしてください。
教員採用試験の専門教養を効率よく対策する方法
教員採用試験の専門教養は次の3ステップで勉強します。
①出題傾向の把握(過去問分析)
まずは、出題傾向の把握から始めましょう。
なぜなら、志望自治体によって、試験科目や出題範囲が異なるからです。
たとえば高校社会(地理歴史)の出題傾向は、次の3パターンに分類できます。
- 地理、日本史、世界史から均等に出題
- 地理、日本史、世界史の共通問題と選択した1科目
- 地理、日本史、世界史のうち選択した1科目
高校日本史の先生になりたいと思っても、志望自治体の出題パターンが①や②だったら、世界史も地理も勉強しないといけませんよね。
その他にも、事前に把握しておくべき情報は多いです。
- 学習指導要領の出題有無
- 指導法に関する出題有無
- 出題形式(記述式 or 択一式) など
出題傾向は過去問5年分を分析すれば把握できます。今後の効率性にも関わってくるので、時間をかけて取り掛かりましょう。
なお、協同出版の過去問シリーズを使えば過去5年分の出題傾向が一瞬で把握できます。こういった書籍を活用すれば時短できるのでオススメです。
②出題頻度の高い科目・分野をインプットする
過去問分析で出題傾向を把握したら、出題頻度の高い科目や分野に絞り覚えていきましょう。
出題率が低い部分に時間をかけても効率が悪いからです。
たとえば、次の表は養護教諭の出題傾向例です。
出題分野 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
①学校保健 | ● | ● | |||
②学校安全 | ● | ||||
③保健教育 | ● | ● | ● | ||
④保健室 | ● | ● | |||
⑤健康相談 | |||||
⑥健康診断 | ● | ● | |||
⑦救急処置 | ● | ● | ● | ● | |
⑧法令答申 | ● | ● | ● | ● | ● |
- 表中の”●”は出題の有無
「③保健教育」は3年連続で出題があります。一方、「①学校保健」や「②学校安全」はほとんど出ていないので、どちらの分野に多く時間を使うかは明確ですよね。
もっと言うと、「⑧法令答申」は5年連続で出ているので、「③保健教育」よりも優先して勉強する必要があるということです。
勉強の初期段階では、出るか出ないかわからない1問に時間をかけるよりも、まずは確実に出るであろう1問を覚えてください。どのみち、ステップ③で重要度の低い分野も勉強するので、この時点ではスルーで大丈夫です。
参考書・問題集はこちら。
オススメの③過去問で総復習
過去問分析で出題傾向を把握し、出題頻度の高い分野を覚えたら、志望自治体以外の過去問を使い知識のインプット&アウトプットをしましょう。
このステップでは、これまでに覚えた知識の定着にくわえて、重要度の低かった分野も回収していきます。
過去問の使い方(勉強方法)は次のとおり、
まずは本試験を受験するつもりで解いてみましょう。
初見問題への対応や時間配分(見直し含む)の感覚も意識できると良いです。
解き終わったら答え合わせをしてください。
このとき、自信を持って正解できた問題は◯、不正解は×、そして勘で正解した問題には△をつけてください。
答え合わせをして△と×だった問題を解けるように復習します。
このとき、その問題をノートに貼り、周辺知識も書き込めるようにすると利便性が上がります。
復習が終われば、もう一度、自力で正解できるかを確認します。ここで解けなければ、やり直してください。
そして、解いた翌日にもう一度見直してください。
時間がないときは、復習用に作成したノートを軽く見るだけでもOKです。
とにかく、この過程(翌日にもう一度触れる)を挟まないといつまでたっても記憶が定着しないので注意。
全自治体の問題を2〜3年分解けばかなりの知識が身につくので、1問でも多く解いていってくださいね。
出題傾向は違うのに、他自治体の過去問を使っても意味あるの?
出題傾向は自治体によって違うので、このような疑問が出るかもしれません。
結論、気にせず解いてください。
確かに、出題傾向は違うかもしれませんが、覚えるべき知識は同じだからです。
たとえば、次の問題①と問題②を見ると、自治体は違いますが、正解するには同じ知識が必要だとわかるはず。
問題①(2024年度青森県)
問題②(2023年度佐賀県)
青森県志望者でも、佐賀県の過去問を解いておけば、この1問は確実に取れていましたよね。
全自治体の過去問を使い勉強するというのは、こういうことです。
専門教養の参考書は種類が少ないので、全国の過去問を問題集代わりにして勉強しましょう。
【教員採用試験】専門教養の勉強に関する質問FAQ
最後に、教員採用試験の専門教養に関する質問に回答します。
①専門教養でオススメの参考書や問題集はありますか?
以下の参考書・問題集をオススメします。
- 過去問シリーズ(協同出版)
- 専門教養Build Upシリーズ(時事通信)
- ステップアップ問題集(東京アカデミー)
これらの参考書・問題集をやっていけば基礎的な部分はOKです。その他、高校・大学入試の参考書や専攻課程の専門書も取り入れるといいでしょう。また、基礎学力に自信がない人は参考書で勉強するよりも、「スタディサプリ」を使って直接的に指導を受けた方が効率的です。
何事においても基礎が重要なので、ここを間違えてしまうとなかなか点数を伸ばすことができません。小学校レベルから学べて、低価格で利用できる点もオススメできる理由の一つです。
生活環境に予備校等がなく、基礎学力からしっかり学びたい人は「スタディサプリ」も使いながら勉強してみましょう。
今なら無料で体験できるので、試しに使ってみるといいですよ。
②専門教養の勉強はいつから始めるといいですか?
現在の学力にもよりますが、試験日の1年〜9ヶ月前から始めるといいでしょう。
なぜなら、専門教養の配点は高く、合格するようなライバルたちは高得点を取ってくるからです。
専門教養で得点できれば、対策が難しい一般教養の負担を減らせるので、早めに専門教養に着手しましょう。
「教員採用試験の勉強はいつから始めたか?」という合格者へのアンケートでも、だいたい1年から勉強を始めた人が多かったです!
③専門教養の過去問はどこで入手できますか?
各自治体の情報センター等で閲覧・コピーできます。
また、ホームページで公開している自治体もあるので、それをダウンロードして使うことも可能です。
専門教養の過去問について、次の記事でも詳しく解説しています。
教員採用試験の専門教養は基礎がすべて!
教員採用試験の専門教養科目は、自分が教員になったときに教える科目なので、できて当たり前です。
文部科学省も「教育の専門家としての確かな力量」が必要であるとの見解を示していることから専門教養で点数を取ることが重要。
とはいえ、本当に何から対策していいのか悩んでいる人が多いのも事実です。
専門教養を効率よく勉強する手順は次のとおり。
専門教養科目では超難問な問題ではなく、基礎的な問題が多く出題されているので基礎をしっかり勉強することが大切です。
焦らずにやれることから始めていきましょう。
今回は以上です。