群馬県教員採用試験の中で、特に厄介なのが今回解説する一般教養と教職教養。
なんとなく情報を集めて勉強を始めたものの、「結局、何から始めればいいの?」と悩んでいる人は多いです。
それもそのはず!なぜなら…、科目数や出題範囲がハンパないからです。大学受験の3倍くらいあるんですよね。
そこで今回は、一般教養・教職教養の試験科目や出題傾向、効率的な勉強方法を徹底解説します。
ぜひ参考にして合格を勝ち取りましょう!
過去10年間(2013~2022年実施)の出題範囲を科目別・分野別に分類したnoteを公開しています。効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててください。
群馬県教員採用試験 一般教養・教職教養の傾向と試験科目
一般教養・教職教養試験とは、教育原理・教育心理・教育関係法規等に関する『教職教養科目』と、人文・社会・自然科学等に関する『一般教養科目』で構成される筆記試験です。
傾向
試験時間 | 60分 |
問題数 | 37問 |
出題形式 | 空欄補充、正誤問題 |
解答方式 | 択一式 |
配点 | 100点満点 |
解答時間は60分、解答数37個です。
つまり、解答数を時間で割ると1問あたり1分強で解かないといけません。じっくりと考えていたら時間がどんどん過ぎていき、最後まで回答できない恐れがあります。
解答用紙への記入や見直しの時間も考えると、テンポよく解答していくことが大事。
普段から時間配分を意識して勉強しましょう。
試験科目
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理 |
人文科学 | 国語、英語、音楽、美術 |
社会科学 | 日本史、世界史、地理、政治、経済 |
自然科学 | 数学、物理、化学、生物、地学 |
》教職・一般教養の過去問はこちら。
他自治体に比べると、試験科目が多いので苦労する人は多いかもしれないですね…。
あれもこれも手をつけているうちに時間だけが過ぎていき、準備不足のまま本番を迎えてしまわないように、出題傾向をきちんと理解して対策することが大事です。
過去10年間(2013~2022年実施)の出題範囲を科目別・分野別に分類したnoteを公開しています。効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててください。
群馬県教員採用試験の一般教養・教職教養を効率よく勉強するには
ここでは、群馬県教員採用試験の一般教養・教職教養を効率よく勉強するために必要なことを解説します。
出題傾向の理解が大事
DMや公式LINEで相談を受けていて思うのは、的外れな(悪くいうとデタラメに)勉強をしてしまっている人が相当多いということです。
たとえば、
- 教育原理:9問
- 教育法規:4問
- 教育心理:1問
- 教育史:1問
という傾向があるとしたら、『教育史▶︎教育心理▶︎教育法規▶︎教育原理』という順番で勉強するでしょうか?
どんなに教育史が苦手でも、教育原理から勉強した方が効率的ですよね。
もちろん、本試験までに時間がたっぷりあるなら一通り勉強するのも良いですよ。でも、出ない科目に時間をかけたり、頻出なのに後回しにしてしまったりするのは勿体ないです。
出題範囲が理解できていないと、どんなに時間をかけて勉強しても点数は伸びにくいので気をつけてください。
》出題傾向を知る方法はこちら。
勉強する科目の順番を決める
少しでも楽に、簡単に点を取りたいと思う場合、勉強を始める前の科目選択が重要です。
出るか出ないかわからない科目にどれだけ時間を使っても点数を上げることはできませんよね…。
以下に科目ごとの配点(解答数)をまとめています。このデータや自分の学力を踏まえて、現実的に得点できそうな科目を選んでみましょう。
▼試験科目と解答数▼
採用年度 (実施年) | 令和5年度 (2022年) | 令和4年度 (2021年) | 令和3年度 (2020年) |
---|---|---|---|
教育原理 | 6 | 5 | 13 |
教育法規 | 2 | 2 | 2 |
教育心理 | 2 | 2 | 2 |
教育史 | – | – | – |
国語 | 5 | 5 | 4 |
英語 | 5 | 5 | 4 |
音楽 | 1 | 1 | – |
美術 | 1 | 1 | – |
世界史 | 1 | – | – |
日本史 | 1 | 1 | 1 |
地理 | 1 | 1 | 1 |
政治 | 2 | 1 | 1 |
経済 | 1 | 1 | 1 |
環境 | – | 2 | – |
数学 | 5 | 5 | 4 |
物理 | 1 | 1 | 1 |
化学 | 1 | 1 | 1 |
生物 | 1 | 1 | 1 |
地学 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 1 | – | – |
すべてを勉強して中途半端になるよりも、まずは問題数の多い科目に重点を置き、知識をインプットしていきましょう。
問題集を中心に覚える
理由は単純で、参考書から読んでいたら絶対に間に合わないからです。また、活字だけの本では、どこがどういう形式で問われるのか判断できません。重要な部分の検討もつかないんですよね。
その点、問題集は必要な知識を実践的な形でインプットできるので記憶にも残りやすいです。
参考書は問題集の解答を読むとき、「参考として正解にたどり着くために必要な知識やその周辺部分を読む」という使い方をしましょう。
なお、オススメの対策本は東京アカデミーの「オープンセサミシリーズ」です。
問題集かノートを主軸にインプットし、周辺知識を参考書で補填するという使い方が最強です。
最初から最後まで手をつけない
-CHECK POINT-
なお、どの科目も全範囲から出題はありません。
たとえば、
- 教育の基本概念:0%
- 教授・学習理論:0%
- 学習指導要領:100%
- 道徳教育:0%
- 特別活動:0%
- 生徒指導:80%
- 特別支援教育:100%
- キャリア教育:0%
といった具合に、分野によって出る・出ないがあるのです。
勉強ができない、苦手な人ほど、何度も何度も最初から最後まで勉強していますが、出ない部分にまで時間を使うのは無駄じゃないですか?
試験科目・範囲が膨大だからこそ、出題傾向を理解して、どの科目・範囲から勉強するのかという戦略を練ることが大事です!
過去10年間(2013~2022年実施)の出題範囲を科目別・分野別に分類したnoteを公開しています。効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててください。
復習に多くの時間を使う
また、勉強において重要なのは先に進むことよりもどれだけ復習をしたかということです。
僕の経験上、どれだけ勉強量を増やしても復習に時間をかけていないと覚えることはできません。僕も勉強時間の7割ぐらいを復習に充てていました。
復習のタイミングは一概ではありませんが、僕は勉強した箇所は3日連続で見るというルールで覚えていきました。要するにその日に解いた問題は短いスパンで3回見るというものです。
参考)復習のタイミング
1日目 | 1〜10ページをやる |
---|---|
2日目 | 1〜10ページを見直して、11〜20ページをやる |
3日目 | 1〜20ページを見直して、21〜30ページをやる… |
とくに重要なのが翌日の復習。これをしないだけで一気に知識の定着が悪くなります。記憶の法則で有名なエビングハウスの忘却曲線でも人間の記憶力は翌日にガタ落ちすることが立証されていますからね。
最初のうちはけっこうシンドイですが、1カ月ほど続けてみれば結果が見えてくるので、復習メインを意識して勉強していきましょう。
群馬県教員採用試験 一般教養・教職教養の出題傾向を知る3つの方法
ここでは、効率的な勉強に欠かせない出題傾向を知る方法を3つ紹介します。
自力で分析する
費用は押さえられるけど、初心者にはハードルが高い方法です!
群馬県教員採用試験の過去問はホームページからダウンロードできます。また、実際に受験した先輩に過去問を譲ってもらうのも手っ取り早いですね。
それを使いながら、自分が使う教材に合わせて自力で出題傾向表を作成します。
メリット | デメリット |
---|---|
費用が抑えられる(無料) | 自力で分析する手間がかかる 初心者には難しい 誤った分析をしてしまうリスク |
費用面だけで考えれば負担が一番少ないです。基本的に問題のコピー代くらいしかかかりませんからね。
でも、過去問と参考書を行き来しながら1問ずつ分類するのは…、かなりメンドイです。しかも、これから勉強を始めようとしている人には難度が高いかと。
また、科目知識のない初心者が傾向分析しようとすれば、「この問題は学習指導要領かな?道徳教育かな?」と、間違って分類してしまう危険性もあるので、時間をかけて慎重に分析しましょう。
過去問は群馬県教員採用試験の過去問(PDF)をダウンロードして対策を始めよう!でもまとめています。
過去問シリーズを使う
最も簡単に出題傾向がわかる方法です!
協同出版の書籍「群馬県の教員採用試験「過去問」シリーズ」の冒頭に過去5年分の出題一覧表が付いています。
これを使えば誰でも簡単に出題傾向を把握することが可能です。
メリット | デメリット |
---|---|
過去5年間の出題傾向がわかる 問題と解説が手に入る | 勉強用の参考書・問題集が別途必要 在庫が少ない(すぐ売り切れる) |
出題傾向や出題形式、レベルを知る意味では最適の1冊です。最新年度の問題を含む数年分の過去問と解説も手に入るのでオススメ。
しかし、1点だけ注意がありまして…。
それは、あなたが使おうと思っている参考書や問題集の目次と過去問シリーズの出題一覧表がリンクしていないこと。
なので、持っている参考書や問題集のどこから(何ページから)勉強すればいいのか分からないって人が多いんですよね…。
つまり、出題傾向はある程度わかるけど、自分が使う参考書に合わせてカスタマイズするというワンクッションが必要なので、すぐに勉強ができない点は覚悟が必要です。
noteを活用する
「オープンセサミシリーズ(参考書、問題集、ノート)」を使って勉強している(勉強する)人にオススメの方法です。
過去10年間(2013~2022年実施)の出題を科目別・分野別に分類して、オリジナルの出題傾向表をnoteで公開しています。
メリット | デメリット |
---|---|
過去10年間の出題傾向が丸わかり 分析済みのデータが入手できる 誤った分析をしてしまうリスクが少ない 費用が抑えられる(1,480円) | 使う問題集が限定的 完璧主義の人には不要 |
オープンセサミシリーズを使えば目次と出題分野がリンクしているので並行学習が可能です。
出題傾向表を見て、繰り返し出題されている科目・分野から勉強すればOK。逆に出題がない分野は見る必要すらないので、「どこを勉強すればいいんだろう…」と悩む心配がありません。
そんな問題を解消するためにオリジナルの出題傾向表を作成しました!
使う(使おうと思っている)参考書がオープンセサミシリーズでない場合は必要ありませんが、効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててほしいです。
\ 過去10年間の出題範囲がまるわかり /
まとめ|群馬県教員採用試験の勉強は出題傾向の理解から始めよう!
今回は群馬県教員採用試験の一般教養・教職教養について傾向と勉強方法を解説しました。
僕が群馬県志望者の相談を受けていて思うのは、適当に勉強をしてしまっている人が相当多いということです。
どんな勉強でもそうですが、どれだけ時間をかけて努力したとしても、それが間違った方法であれば意味がありません。
とくに一般教養・教職教養は未知な部分が多いので、はじめて受験する方であればこそ、正しい勉強方法を知り、効率よく勉強していくことが大切です。
まずは出題傾向の理解、そこから始めていきましょう!
過去10年間(2013~2022年実施)の出題範囲を科目別・分野別に分類したnoteを公開しています。効率よく勉強を進めたい方はぜひ役立ててください。