- 山口県教員採用試験の内容
- 山口県教員採用試験の傾向
今回は、山口県教員採用試験の試験内容(一次、二次試験)を解説します。
効率よく対策できるかどうかは、試験内容や傾向をどれだけ理解しているかが重要です。
本記事では試験内容だけでなく、それぞれの傾向についても解説しているので参考にしてください。
教員採用試験の内容は自治体によって違うので、きちんと把握してから対策を始めましょう!
山口県教員採用試験の内容
山口県教員採用試験は、二段階選抜方式で行われます。
まず。一次選考で受験者を篩にかけ人数を絞ります。その後、一次選考の合格者を対象に二次選考を行い最終合格者を決定。
具体的な試験内容(科目)は、以下のとおりです。
一次試験の内容
- 教職専門
- 教科専門
- 集団面接(討議)
- 実技試験
一次試験は筆記試験がメインになっています。
「教員採用試験=人物重視」という傾向にありますが、対策の大半を勉強に充てなければなりません。試験科目を的確に捉え、出題傾向をつかんで対策しましょう。
二次試験の内容
- 小論文
- 適性検査
- 集団面接(模擬授業・討論)
- 個人面接
二次試験は人物試験がメインです。教採=面接重視なので、面接試験でどれだけ点数を稼ぐかが最終合否に大きく関わってきます。
努力に比例して成果が見える一次試験とは違い、面接試験は質の高い練習が必要です。適当にダラダラ練習しても効果は薄いので気をつけましょう。
山口県教員採用試験の傾向
ここでは、山口県教員採用試験の傾向を試験ごとにまとめています。
それぞれ順番に解説するので、参考にしてください。
教職専門
試験時間 | 50分 |
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問題数 | 大問8題(解答数42個) |
出題形式 | 択一式と記述式 |
配点 | 50点満点 |
教職専門試験とは、教員として必要な基礎能力や社会人としての一般常識が、どれくらい備わっているかを測る筆記試験のことです。
制限時間50分で、42問に解答します。
出題形式は、4つの選択肢から正しい(誤りの)肢を選ぶ「択一式」がベーシックです。
※一部記述式の問題あり。
試験科目
教職教養 | 教育原理、教育法規、教育心理、教育史 |
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一般常識 | 社会時事、雑学 |
その他 | 教育施策 |
教職教養は範囲がとても広いので、どの分野が多くでるのか、どの分野は苦手なのか、出題傾向を理解したうえで勉強することがポイントです。
また、教育時事(学校教育の変化や教育関連のニュースのこと)や一般常識に関する知識を問う問題もあります。そのため、文部科学省のホームページを見たり、新聞を読んだりして、普段の生活から情報収集をしておきましょう。
教科専門
試験時間 | 90分 ※実技のある教科は70分 |
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問題数 | 教科・科目による |
出題形式 | 記述式 |
配点 | 100点~200点満点 ※教科による |
教科専門とは、志望する校種・教科の専門知識や学習指導要領の理解度を測る記述式の筆記試験です。指導教科の専門性を問われるので問題レベルが高く、多くの勉強時間が必要という特徴があります。
だいたい、大学入試共通テスト(旧センター試験)から国公立大二次試験で問われるレベルの問題が6割以上を占めています。
まずは志望する校種・教科の過去問を解いてみて、現在の実力を確認してみてください。そうしないと、何から対策すればいいか判断できません。
現在の得点から以下のように勉強プランを考えてみましょう。
- 5割以下:基礎がないので中学受験レベルから勉強しなおす
- 7割以下:高校~大学受験レベルで力をつける
- 7割以上:全国の過去問を解いて知識の定着や弱点克服
専門教科を得意とする受験者は多いので、ライバルたちに差をつけられないように、手厚く勉強することが大事です。
集団面接(討議)
試験時間 | 40分 |
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受験人数 | 5人~6人 |
面接官 | 3人 |
評価の観点 | 表現力、判断力、社会性、積極性、協調性 |
集団面接(討論)は、複数の受験者が一つのグループとなり、同時に面接を受ける形式です。1グループの人数は5人~6人程度で、試験時間は全体を通して40分ほど。
一般的な集団面接ではなく、テーマに沿ってグループ同士での話し合う集団討議が行われます。
集団面接の過去問(テーマ)
- 子どもたちの「規範意識や倫理観」を育成するために,私たちはどのようなことに心がけたらよいか,全員で話し合いなさい。
- 子どもたちの「主体的に学び続ける態度」を養うために,私たちはどのようなことに心がけたらよいか,全員で話し合いなさい。
- 子どもたちの「他者を思いやる心」を育むために,私たちはどのようなことに心がけたらよいか,全員で話し合いなさい。
実技試験
実技試験とは、教科・科目に関する実践力を備えているのか評価する試験です。
対象校種・教科は以下のとおり。
小学校 *二次試験 | 【体育】 ・器械運動(マット運動) ・ボール運動(ドリブル、キャッチボール) ・体つくり運動(縄跳び) 【音楽】 ・歌唱(春の小川、とんび、われは海の子から1曲) ・独奏(電子ピアノまたはその他任意の楽器) | |
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中学校・高校 | 音楽 | ・楽器独奏(ピアノ、声楽、その他楽器から1つ) ・歌唱(赤とんぼ、早春賊、帰れソレントへから1曲) ・指揮(夏の思い出) |
美術 | 「生徒に示す参考作品」の制作 (1)表現分野は「平面又は立体」(題材は当日指定) (2)主題設定の理由及び指導上の留意点についての説明等 | |
保健体育 | (1)器械運動 マット運動(連続技) (2)陸上競技 ハードル走(ハードリング) (3)球技 バレーボール(サーブ・ボール操作) (4)武道 柔道(受け身・連絡技) (5)ダンス 現代的なリズムのダンス(曲は当日指定) | |
技術 | 「技術とものづくり」についての実技 題材:簡単な日用品の製作(テーマは当日指定) (1)製作品の設計 (2)製作品の部品加工及び組立て | |
家庭 | (1)被服製作(題材は当日指定) (2)調理実技(題材は当日指定) | |
英語 | (1)リスニング 対話文、説明文を聞いて内容を問うリスニングテスト (2)スピーキング グループディスカッションによるスピーキングテスト (テーマは当日指定) | |
養護教諭 | 救急法等養護に関する実技(テーマは当日指定) |
何ができて、できていないのかを早めに把握するようにしましょう。そのうえで出来るように少しずつ技能を磨いていくことが最適解です。
なお、課題に沿って完璧にできることにくわえて、熱意や意欲、態度なども評価対象。そのため、実際の試験では面接と同じように楽しくできるように練習してください。
小論文
試験時間 | 50分 |
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文字数 | 800字 |
問題数 | 1題 |
出題形式 | 教育テーマ |
配点 | 5段階評価 |
小論文とは、自分の考えや主張を論理的に説明する文章形式の試験のことです。筆記試験では判断できない、論理的思考力や読解力、教師としての適性などを総合的に評価します。
形式は教育に関するテーマに沿って自分の考えを論じる内容になっています。
評価は以下の観点に沿って行われ、最終的に5段階で評価。
- 教育的愛情
- 教育に対する情熱・意欲
- 教育観
- 人権意識
- 倫理観
- 表現力
- 創造力
- 指導力
- 社会性
- 積極性
- 協調性等
試験官の主観による要素も含まれるため、丁寧に、きれいに書くことが大切です。
小論文は、自分では文章が書けると思っていても、意外に書けなかったり、書けた(気になった)としても課題に対してまったく十分な解答にはならないことはよくあります。
毎年、小論文で評価がもらえずに不合格となる受験者は多いので早めに準備をしてください。過去のテーマなどはこちらの記事でまとめています。
個人面接
試験時間 | 15分 |
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面接官 | 3人 |
配点 | 5段階評価 |
個人面接とは、志望動機や自己アピールなどを問うことで、あなたが山口県の教師として相応しいかどうかを評価・判断する人物試験のことです。
1人15分の面接を行います。
聞かれた質問一覧(抜粋)
- 教員を目指した理由
- 理想の教師像を述べてください。
- どのような力を子どもたちに身につけさせたいですか。
- ICTは得意ですか。どのように授業に取り入れますか。
- 給食の好き嫌いが多く、皆より食べる量が半分くらいの子どもがいます。どのように対応しますか。
- 生徒に必要以上に触れながら指導している教師を見かけました。どう対応しますか。
- 授業中になかなか発言できない生徒に対してどのように対応しますか。
- 同僚がPCを持ち帰り,成績処理をしようとしていることが分かったらどうしますか。
個人面接は1人の受験者に対して、集中してチェックできるため、面接官は様々な観点から評価することができます。また、集団面接とは違い、受験者は自分一人だけなので緊張しやすい形式ですが、他の受験者がいないことから集中でき、自分をアピールしやすいという利点があります。
面接を苦手とする人は多いです。しかし、合格するには避けては通れません。
面接練習をすることで、
- 自分の長所や短所
- なぜ教員になりたいのか
- 教員になって何がしたいのか
といった部分を改めて確認できます。自分と向き合う良い機会なので、時間をかけてじっくり取り組んでいきましょう。
集団面接(模擬授業・討論)
試験時間 | 60分 |
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受験人数 | 5人~6人 |
面接官 | 3人 |
評価の観点 | 5段階評価 |
二次試験の集団面接は、模擬授業と集団討議が行われます。
1グループ6人程度で、試験時間は60分。
集団面接の流れ
最初に模擬授業のテーマが発表されます。
15分間で模擬授業で行う指導案を作成します。
一人5分間で模擬授業を行います。最初に校種と設定した学年を発表してからスタート。
他の受験者が模擬授業を行っている間は、児童生徒役として参加します。
※模擬授業の順番はくじ引き。
全員の模擬授業が終わると、話し合うテーマが発表されるので、グループで作業します。
集団面接の過去問
小学校 | 自ら考え行動することの大切さ |
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中学校 | 生命を尊重し,自他の生命を守ることの大切さ |
高等学校 | 規則正しい生活習慣を身に付けることの大切さ |
養護教諭 | 感染症の予防 |
栄養教諭 | 無理なダイエットの危険性 |
面接官は、同時に複数の受験者をみることができるため、受験者同士を比較して相対的な評価をすることができます。
自分の発言だけに全集中するのではなく、他の受験者の意見を聞くことや自分の意見が他の受験者にどのように受け止められたのかなど、周りの状況にも注視することが大切です。
山口県教員採用試験 対策のコツとポイント
これから山口県教員採用試験の対策を始めるうえで、大切なポイントやコツを3つ紹介します。
- 過去問は最初に使う
- モチベーション維持できる環境を作る
- スキマ時間を活かす
過去問は最初に使う
「過去問は腕試しに使う」、そう思っていませんか?確かにそういう目的もありますが、過去問をどれだけ解いても意味がないんですよね。
正直、志望先の過去問を何周繰り返したところで意味はありません。なぜなら、過去問は勉強するものではなく、出題傾向を理解するためのツールだからです。
過去問はあくまで「過去」問であって、同じ問題は出ません(類似問題はでることもあるけど・・・。)
過去問は何度も繰り返すのではなく、出題傾向を理解し、その出題範囲を参考書や問題集で覚えていくのが勉強です。
過去問に限らず、目的を決めてテキストを使うのはとても大事なポイントです。何となく使って時間や労力を消費しないようにしてください。
モチベーションを維持する
対策はやることが多いので…まぁ、シンドイです。モチベーションを長期間保ちながら筆記対策も面接対策もする必要があるため、相当な覚悟が求められます。
実際、合格を目指して勉強を始める人は多いですが、途中で挫折する人も相当多いです。100人いて30〜50人ぐらい、半分はいなくなります。
想像してみてください、周囲が遊んでいる中で自分だけ勉強漬けの毎日、飲み会やイベントの誘いをシャットアウトしながら勉強に集中して高いパフォーマンスを維持しなければならないのです。
試験に合格するためには、同じ目標を持った仲間を作ることが大切です。共通の目標を持つ仲間と一緒に勉強したり、励まし合ったりすることで、モチベーションが高まり、成績も向上することが期待できます。
また、仲間と情報を共有することも重要です。受験に必要な情報や知識を共有し合うことで、受験の準備がより効率的に進められます。さらに、受験に不安や悩みがあれば、仲間と共有して相談することで、心の負担を軽減することができます。
僕(ふくなが)への質問・相談は、こちらのお問い合わせフォームからできます!
スキマ時間を活かす
通学・通勤しながら対策することになるので、スキマ時間をどれだけ生み出せるかが重要です。
- 通学時間
- 学校での休み時間
- 食事の前後
- 入浴時間
- 寝る前の10分間 など
全てを使うのは難しくても、自分の生活スタイルに合わせてこの中のいくつかを取り入れるだけでも十分スキマ時間を活用できるはず。
たとえば1回15分のスキマ時間でも、1年で5,475分(約100時間)も捻出できます。これを1日の中で3回(朝、昼、夜)繰り返せば、1年で305時間も勉強できることになりますよね。
最終合格までに必要な勉強時間は600~700時間なので、スキマ時間だけでも半分程度の勉強ができてしまうのです。
スマホを封印したら…かなりのスキマ時間を捻出できそうですね!
山口県教員採用試験の内容と傾向まとめ
今回は、山口県教員採用試験の内容と傾向、合格に向けた対策方法を徹底解説しました。
山口県教員採用試験の難易度は、そこまで高くありません。しかし、筆記試験で点を取れば合格できるのではなく、面接試験などによる人間性が最重視されるため、努力がそのまま結果に結びつかない難しさがあります。
山口県の教採に合格するのは簡単ではありませんが、きちんと対策すれば受かることは十分可能な試験です。試験内容と傾向を再確認して、効率よく勉強を始めましょう。
山口県教員採用試験の内容一覧
本サイトでは、山口県教員採用試験に関する有益情報を多く発信しています。ぜひ、参考にして合格に少しでも近づいてください。
今回は以上です。
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